英語(外国語)教育は、第二言語習得(SLA:Second Language Acquisition)という学問によって科学的に”正しい”とされているやり方があります。それらの研究内容を記した本もたくさん出版されています。
その理論を基に、実際に英語塾を開き日本人の子ども達に英語教育を行った方がいます。そして、実感としても効果的だと思ったやり方を、具体的なコンテンツと共に記した本が出版されています。その本が、今回ご紹介する『ほんとうに頭がよくなる世界最高の子ども英語』です。
著者は元イェール大学政治学科助教授の斉藤淳さんです。著者が代表を務める『J PREP斉藤塾』は、実用的な英語が身に付く英語塾として、今注目を集めています。この本は、第二言語習得(SLA:Second Language Acquisition)理論を基に、著者が英語塾で多くの生徒を指導してきた経験をふまえて書かれています。
こんな方におすすめの本です！
この本は、「我が子を英語が使える子に育てたい。でも、どのように教育するのが正しいのかわからない…。」と悩む親御さんに是非読んでいただきたい1冊です。
きっと、英語教育に関して、これから進むべき方向を示してくれる1冊となると思います。
因みに、こちらの英語教育の対象年齢は、『3歳～大人』です。
本の内容をざっくりとご紹介します
この本は2部構成となっています。
- 【基本編】英語を身につけるための「常識」、標準的な考え方について
- 【実践編】それらを踏まえて具体的に何をやるべきかについて
実践編では、市販の教材やコンテンツも多数紹介されているので、おうち英語を行う方にはかなり役立ちます！
親自身が学生時代に受けてきた英語学習法は間違っている！？
著者は、まず親自身が、学生時代に受けてきた「間違ったやり方」を捨てることが重要だといいます。
間違ったやり方とは、文法や語彙の暗記を中心とした、読み書き重視の学習法のことで、「文法訳読法」と呼ばれています。これは著者の”個人的な考え”ではなく、現在の英語(外国語)教育のスタンダードな考え方になっています。
参考までに、多くの日本の大学で第二言語習得(SLA:Second Language Acquisition)の教科書として使用されている本にも”実際のコミュニケーションの場面で使える英語を身につけるには、文法訳読方式は大変効率の悪い方法といわざるを得ません。”(外国語学習に成功する人、しない人：著者 白井恭弘)と書かれています。
興味のある方は、合わせて読んでみてください。↓
英語力は家庭で高められる
著者は英語塾の代表を務めているにも関わらず、「英語力は家庭で高められる」と断言しています。著者は、「英語のためだけに英語を学ばせるのは、子どもの時間がもったいない。」というのです。つまりは、英語を勉強している時間がもったいない、と。
では、どうすれば良いのかというと、親が、我が子の年齢や興味に合わせてコンテンツを選び、子どもに英語を自然と親しませるのです。
この本では、その具体的な方法として下記のものなどを紹介しています。
- TPR(Total Physical Response)
- 英語で声かけ
- 英語絵本の読み聞かせ
- ゲーム
- フォニックス
- 映像コンテンツ
そして、それぞれどういった点が利点なのか、どういったところに注意しなければならないか、どのくらいの時期にどのようなものを選べば良いのかなどの内容を詳しく記載してくださっています。
この本の著者はどんな人？
ここで、著者について改めてご紹介したいと思います。
著者は、数多くの新聞や雑誌、メディアで取り上げられている英語塾『J PREP斉藤塾』の代表を務める斎藤淳さんです。元イェール大学政治学科の助教授で、そこで教鞭をとっていた頃に日本人の英語力に危機感を覚えて、日本での英語塾(J PREP斉藤塾)経営に乗り出しました。
「J PREP斉藤塾」の講師陣には、大学院で第二言語習得(SLA:Second Language Acquisition)を専門にしている研究者も複数名おり、理論的に有効だと言えるアプローチは貪欲に取り入れているとのこと。そうして著者の経営する「J PREP斉藤塾」は、わずか4年で累計3000人以上の生徒が通うまでになったそうです。
斉藤淳さんは、旧来型の受験エリートを養成することに興味はありません。”これから日本や世界がどのように変化しようとも、そのなかでたくましく思考し、しなやかに生きていける本物の知性を育てたい”とのこと。この本を読むと、著者のその思いがよく伝わってきます。
おわりに…
巷には、多くの子ども向け英語教材やそれらに関する情報が溢れています。私自身も、娘を産んでまもなく、そのような情報に晒され、「今始めなきゃ！」「この教材を買わなければ！」と不安を煽られました。○○ちゃんの家はこの教材を買ったみたいだとか、○○ちゃんの家は英会話スクールに通い始めたとか、周りの子の状況と我が家を比べて焦ってしまったこともありました。
しかし、大切なのは、『我が子に合わせること』だと、この本は教えてくれました。
現代日本人の英語力を思うと、これまで学校で行われてきた英語勉強法は間違っているということは確かです。では、どうすればいいのか？その答えがこの本には書いてあります。
子どもの未来の可能性を広げたい、と思っている親御さんは是非、読んでみてください！
