モンテッソーリ園で、我が子にモンテッソーリ教育を受けさせてあげたい。
そう思っても、近くに良い園がない、経済的に厳しいなどの理由で断念せざるを得ない方も多いですよね。
でも、モンテッソーリ園に通わせてあげられなくても、子供にとって良い環境は家でつくってあげられると私は思います。
- 子供への良い接し方を親が心掛ける
- 子供が「やりたい!」と思ったことが自分でできるように家の中を整える
きっと、我が子のために試行錯誤したことや工夫したことは、無理してモンテッソーリ園に通わせるよりも、もっともっと子供にとってプラスになると私は思います。
かくいう私も、我が子に本物のモンテッソーリ教育を受けさせてあげたいと強く願っていた母親のひとりであり、東京にある国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターの付属園に何度か見学に行きました。
遠くて園見学に行けないよ~、という方もいると思います。
なので、今回は、私が「これは家でも出来るな」と思ったことや「これは園に通うメリットだな」と思うことをシェアしていければと思います。
モンテッソーリ園に通わなくても出来ること
子供がやりたいお仕事を自由に選べるように環境を整える
モンテッソーリ園には、たくさんの教具が整理されて並べられていました。
モンテッソーリメソッド特有の高価なものももちろんありましたが、私たちが普通に手に入れられるものもたくさんありましたよ!
思い出せる範囲であげてみると…、
- 一般的な知育玩具(棒通しやハンマートイ)
- 手動のシュレッダー
- コーヒー豆をひく道具
- S字フック
- 製氷機・ピンセット・ポンポンのセット
- 楽器(小さな太鼓など)
- 押すと動揺が流れる絵本(書店などでよく売られているもの)
- 桶とスポンジ
- 観葉植物
子供たちは、興味を持ったお仕事を自分で選び、黙々と手を動かしていました。
そして、そのお仕事に満足すると、もとの場所に片付けてまた次のお仕事を始めます。
その間、お話したり走り回ることもなく、すっと次のお仕事に取り組み始めていた3歳児を見て、私は本当に驚きました。
前のお仕事を片付けずに次のお仕事道具を出してしまった場合には、先生が前のお仕事を指差して「戻す」と短い言葉で教えていました。
家ですと、親が新たに用意した教具を子供にやらせたくなってしまいますよね(笑)。
ですが、その活動をやらせることが目的ではないので、あくまでも子供の興味に合わせて子供に自由に選ばせることが大事だと改めて感じました。
見本になるお兄さん、お姉さんが近くにいる
モンテッソーリ園は縦割りクラスです。
自分よりも早くに入園しモンテッソーリ教育を受けてきているお兄さん、お姉さんを身近に感じることは、下の子にとってとても良い刺激になると感じました。
自分にはまだできないお仕事をお兄さん、お姉さんが黙々とやる姿や、お兄さん、お姉さんの落ち着いた様子を近くで見られることは、モンテッソーリ園に通うメリットのひとつだと思います。
実は、私と娘が園に体験に行った時、娘は”はじめての場所”に驚いてギャン泣きしていました。
そんなとき、在園児が「大丈夫だよ」「楽しいよ」と娘に声をかけてくれたのです。なんて、優しい子たちなんだろう…、と感激してしまいました。
お兄さん、お姉さんに優しくされたり、丁寧に何かを教えてもらう経験をすると、自分もまた、下の子に同じように接することができるようになっていくそうです。
しかし、人格に優れた優しいお兄さん、お姉さんというのは何もモンテッソーリ園にしかいないわけではありません。
公園や児童館、友人の子など、異年齢の子ども達との交流も大切にしていきたいと思いました。
子どもが集中してお仕事に取り組める環境が整っている
モンテッソーリ園では、すべてのものが、子どもが使いやすいように、子どもの背の高さに合わせてありました。
子どもが自分で出来るように、そして、大人が動かなくても良いようになっているのだそうです。
家庭では(我が家では)、子どもが何かをしたいとき、「これが終わるまでちょっと待ってて!」とか、「危ないからそれは触らないで!」とか、「向こうの部屋から踏み台を持ってくるから待っててね!」などとなりがちではないでしょうか。
また、子どもの集中が途切れてしまうような、テレビやスマホが側にあったり、親の予定があったりもします。
これらの環境を(出来るだけ)整えれば、せっかくの子どもの「やりたい!」という気持ちを無駄にすることもなく、集中を途切れさせてしまうことも少なくなると思います。
我が家も、少しずつ少しずつ、子供にとって良い環境にしていきたいと思っています。
モンテッソーリ園に通うメリット
専門知識をもったモンテッソーリ教師に丁寧に指導してもらえる
モンテッソーリ園では、モンテッソーリ教員養成コースを卒業した教師が、穏やかに、そして丁寧に子ども達に指導してくれます。
私はこれが、モンテッソーリ園に入園させる最大のメリットだと思います。
教師の方々は、子ども達の「見方」や「たすけ方」を学ばれてきています。
また、教具の目的や正しい使い方を理解し、それを子ども達に提示する方法も日々トレーニングしています。
モンテッソーリ女史が示した『教師の12か条』というものがあります。
1. 環境に心を配りなさい。
2. 教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい。
3. 子どもが環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい。
4. 探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい。
5. 呼ばれた所へは、かけ寄り、交歓しなさい。
6. 招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい。
7. 子どもの仕事(活動)を尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように。
8. 子どものまちがいを直接的に訂正しないように。
9. 休息している子どもや他人の仕事を見ている子どもを尊重しなさい。仕事を無理強いしないように。
10. 仕事を拒否する子ども、理解していない子ども、まちがっている子どもには、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。
11. 教師を探し求める子どもには、そばにいることを感じさせ、感づいている子どもには隠れるようにしなさい。
12. 仕事がすんで、快く力を出しきった子どもには、精神的な魂の静けさをおくりながら現れなさい。
モンテッソーリ教育について、ある程度勉強している方でしたら「知ってる、知ってる」という内容かもしれません。でも、知っているのと実際にできるのとは違いますよね~(;´д`)
私たち母親は、ご飯を作って、洗濯や掃除をして、買い物をして、、、我が家のようにペットの世話をしている人やお仕事をしている人もいると思います。それでいて、”モンテッソーリ教師と同じように”は出来ないと思います。
その点は、実際にモンテッソーリ園に通う大きなメリットになると思います。
子供の「将来」よりも大切なもの
ここまで読んでくださったあなたのような方でしたら、我が子に「幸せな人生を歩んでほしい」「より良い教育を受けさせてあげたい」と強く願っていることだと思います。私も同じです。
ですが、「よりよい教育」「子供の将来」よりも、もっともっと、子供にとって大切で必要なものは、「お母さんと一緒に笑い合う今この瞬間」なのかもしれません。
お母さんが楽しめる範囲で、無理のない範囲で、『子供のためできること』を考えていきたいですね(^-^)